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コロナ・ショックがもたらしたパラダイム・シフト(後編)

author : A.Mizunoawa   [ 一般 ]
2020.06.16 Tuesday 18:30 | - | - | 

みなさん、ご機嫌いかがお過ごしですか。ご無沙汰しています。工学研究科生命先端工学専攻M2のA.Mizunoawaです。

前回に引き続き、コロナによってもたらされた変化についてのお話をしたいと思います。

2020年6月16日、緊急事態宣言が解除されて3週間ほどが経ち、いまだマスクや消毒は欠かせぬもののこれまでの日常とかなり近い生活が徐々に戻ってきているという印象です。三密を回避できない場所にはまだまだ行けそうもありませんが、学校や会社に行ったり休みの日に外に出歩いたりすることはかなり普通になってきました。

コロナ中には学校は休校になり、会社での仕事は概ねテレワークが主流になっていました。学校も会社もきっと「やむを得ぬ措置」としてそうしていたのであり、故に、コロナが落ち着き始めると少しずつ元の形態へと戻っていくようです。

ここで僕が思うのは「当たり前のように全てをそっくりそのまま元に戻してしまっても良いのだろうか?」ということです。たとえば、オフィスまで足を運ぶ必要が無く気楽に自宅等で作業することができるテレワークという素敵な働き方が一時的であれ広まっていたというのに、その流れをわざわざ断ち切ってまで再び不毛な通勤を多くのサラリーマンに強いるのは正しいのだろうか、と思います。もちろん、対面でなければできない種類の仕事もありますし、自宅作業により社員の能率が格段に低下してしまったという会社もあるかもしれません。しかし一方で、Twitter社が社員に対する恒久的なリモートワークを認めた事例が裏付けるように、実はオフィスに集合せずとも各々が自宅で成果を挙げられるような仕事も確かにあるわけです。日本には「昔からそういうものだからそれに従うべきだ(判子文化など)」であるとか「ストイックに努力していなければ仕事をしているとは言えない(「楽して稼ぐ」を是としない風潮など)」と考えている人が多いので、たとえ誰かがテレワークで今までと同じだけの成果を上げていたとしてもいずれは通勤を強制させられることになるのだと予想します。しかし、せっかく変革を起こすチャンスだというのにそういう復元力が発生するのは馬鹿らしいことだなと僕は思います。

ただ、学校に関しては流石に遠隔授業で完結させるのは難しいでしょう。学校には教科教育だけではなく部活動や友達との交流を通じた人格形成を担うという側面もありますので、子供を家に閉じ込めた状態で従来通りの教育を施すのはどう考えても不可能です。しかし、我々には心に留めておかなければならないニュースがあります。「コロナ禍による自粛が長引けば経済が破綻し命を絶つ者が増える」そう一部からは批判されていた自粛政策ですが、蓋を開けてみると、4月の自殺者は前年比20%減と、直近5年で最大の減少幅になったという事実です。どうしてでしょうか? それは恐らく、短期間の間に世界にウィルスが蔓延したと同時に、奇しくも人間関係から生じるストレスが霧消したことと関係があると思われます。つまり、人間関係で思い詰めて自ら命を絶っていた人が少なからずいたということです。社会人が仕事に行き詰まって……というケースもあるはずですし、学校でのいじめを苦に自殺してしまった子供も今まで大勢いたわけです。そういう人たちからすれば「自粛よ、早く終われ」「学校に行かせてくれ」という世間の大多数が抱いていた意見には全くもって同意できないわけです。むしろ自粛期間は彼らにとって安息の時間であって、学校に戻ることは苦悶の再開だということになります。「そんな彼らのために自粛を延ばすべきだ」なんて主張をする気はありませんが、そういう人たちがいるということを我々は気に留めておかなければならないと思いますし、学校関係者はきちんと向き合うべきでしょう。

それでは、今回はこの辺で。See you again!

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