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[教職]教育方法学(4):死刑制度を考える(後編)

author : A.Mizunoawa   [ 一般 ]
2020.02.14 Friday 17:00 | - | - | 

みなさん、ご機嫌いかがお過ごしですか。工学研究科生命先端工学専攻M1のA.Mizunoawaです。

本記事はこれまでの続きですので、未読の方は前編中編をどうぞ。

反対意見の根拠の4点目は倫理的な問題があることです。初めから存在している刑なので気付くのが難しいかもしれませんが、冷静に考えてみれば死刑は非常に残虐な刑であり、冤罪や法的観点がどうのこうのという以前に、現代の高度な文明社会には全くそぐわない蛮行だと捉えることができます。

5つめのデメリットを、授業ではクイズ形式で紹介してみました。一般囚の収監にかかる費用は死刑囚の収監にかかるそれの何倍か、という問題なのですが、その答えは……。

実は1/4倍です。選択肢で言えばFで、意外なことに死刑囚の方が税金はかかっているんですね(誘導質問の感)。その理由に関してはスライドに記載していますが、これを読めばきちんと納得してもらえるかと思います。

ちなみに、授業でどの選択肢を選んだか全員に訊ねたところ「一般囚の方が少ないと思う」と仰った方が1人だけいました。

ということで、ここまでのまとめです。日本の世論が賛成派に傾いているのに対し、実はそう主張するための論理武装は意外と無かったりします。むしろ、反対意見を補強する事実ならたくさんあります。だからといって「死刑には反対するのが正しい」という話でもなくて、やっぱり被害者の気持ちは大事なわけです。

最後に、冒頭で投げかけたのと同じ質問をして、聴衆一人ひとりにこの授業を受けた意義を再確認してもらうことで「学習パート」は終了です。

そしてこの「学習パート」を踏まえて「ディベートパート」が始まります。

「ディベートパート」では、ディベートを計2回、自分がどう思っているかに関わらず賛成派と反対派の両方の意見に立って行います。こうすることで、思い込みや先入観があればそれを払拭し、今まで考えたことの無かった視点から物事を見てもらうことができます。実際、授業後のフィードバックでは「賛成派だったが、反対派の役回りを演じることで反対派の言わんとすることもある程度は納得できるようになった」という類の意見をいくつかいただきました。

ここまで3回の記事に分けて模擬授業で準備した資料を簡単に説明しましたが、これでようやく50分の授業1回分の資料にしかなりません。普段の私たちは授業を受ける側でしかありませんが、今回のディベートパートよろしく、授業を作る側に立つことで初めて見えてきた授業の価値の重みというものを今回ひしひしと感じました。ここでは割愛しますがフィードバックによる模擬授業の反省点も数多くいただき、個人的な学びは非常に大きかったです。座学でこつこつと理論を蓄えていくことも大事ですが、実践的な活動から学ぶ機会もまた必要なのだと改めて気付かされることになりました。

それでは、今回はこの辺で。See you again!

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