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講演会『AIと人が作る未来社会』(前編)

author : A.Mizunoawa   [ 一般 ]
2019.08.29 Thursday 18:00 | - | - | 

みなさん、ご機嫌いかがお過ごしですか。工学研究科生命先端工学専攻M1のA.Mizunoawaです。

8/1に豊中キャンパスでAIの講演会が開かれました。僕は個人的にAIにとても興味があるので迷わず参加してノート10ページ分のメモを取ってきました。中身全部を記事にするのはきりがないので、数回にわけて少しずつ、内容のエッセンスのみを箇条書きで紹介していきたいなと思います。

[1] 開会の挨拶:阪大総長 西尾章治郎

〇 AIには光と闇がある。発展は素晴らしいが、人間の知能を越えた場合の危険性やセキュリティ問題、導入にあたっての倫理的・法的・社会的な課題がある。

[2] 石黒浩『人と関わるロボットの研究開発』

〇 アンドロイドで遠隔から講演会をしたことがある。アルゼンチン国会でも実施した。→ 誰がアイデンティティを持っているのか? 石黒本人に石黒のアイデンティティはあるのか?

〇 ロボットは人を映す鏡。人間はロボットに人間性を見出す。

〇 ロボット製作の目標はマルチモーダルチューリングテスト(MTT)のパス

〇 ロボットの存在感は絶妙。→ホテルで部屋を空けて人間がいたら怖いが、ロボットなら安心感がある。通訳などに使えるだろう。

〇 現在は自律的に対話するアンドロイドの研究をしている。欲求 > 意図 > 動作・発話のモデルを基に自律。話し方などから関係性を探る(関係性が良ければよくしゃべり、悪ければ黙る)。初対面なら80通りの話はじめがあり、相手が意地悪でない限りは会話が成立する。

〇 感情・意識・知能の本質とは?

〇 次の研究対象は社会養育ロボティクス。周りに教えてもらいながら成長していく子供型アンドロイド。

〇 人間 = 動物(遺伝子) + 技術 である。技術無しでは人間は語れない(人間と技術は対立関係にあるわけではない)。最終的には「脳をコンピュータに置き換える」ことになるだろう(100~1000年後か?)。さらなる進化は身体の機械化(生身にこだわらないことは既にコンセンサスがある)。機械化のメリットは身体を選べること、それはすなわち多様化であり進化である。

〇 思考の重要性 → 思考は人間の生きる目的そのもの。ロボットにより労働が取って代わられるとその分人間は純粋に思考できるようになる。

〇 Q. ロボットを利用して人の心をどう動かせるか。 A. 「ロボットは嘘を吐かない」と誰しも思っているので、服の売り子をしたらめちゃくちゃ売れる。高齢者は「ロボットの方が話しやすい」とも言う。

[3] 柳田敏雄『ヒト脳情報研究と人工脳モデル』

〇 ディープラーニングのオリジナルは日本人。

〇 日本はAIの実用面で大きく後れを取っている(最先端はgoogle, Apple, Amazon, Face book)。

〇 ヒト脳に学ぶ「省エネ」。Alpha GOが20万ワット消費するのに対して、思考するヒトの脳は1ワット(思考時と休止時の差。休止時でも高々20ワット)。

〇 人工脳の構築を目標として、ヒトの脳を研究するCiNetを発足した。「脳活動 → 血流量 → 脱酸素化ヘモグロビン → プロトンNMR」で脳を調べる。

〇 脳内意味空間(多次元)ではヒトクラスタ、動物クラスタ、乗り物クラスタと意味訳がされている。→ 人によって価値観が違うとクラスタも違うかもしれない。逆に言えば、脳を調べることでその人の価値観がわかる可能性がある。

〇 入力から脳活動へのエンコードを基に脳活動から入力へのデコードを探る研究をしている。エンコードは観ている映画に対する脳活動のパターン、デコードは脳活動パターンから観ている映像の予測。観ている映像はある程度再現できる(モザイクがかった感じ、色味などは合っている)。

〇 ネイマールの脳を調べると「準備 → 選択 → 実行」の過程が無意識化で繰り返されていることが判明。

〇 Q. スポーツ選手の脳のデータを他の人に取り込んだりはできるか? A. ニューロフィードバックにより、LとRの発音の違いを日本人にわかるようにさせたり(元々誰もが無意識下レベルでは区別できているが、意識が重要だと見なしていないだけ)、恐怖の感情を打ち消し恐怖でないと錯覚させたりすることはできる。

​マツコロイド等でも有名な石黒浩教授に関しては以前にも一度講演会を聴いて記事にしたことがあるので、それについてはこちらをご覧ください。

それでは、今回はこの辺で。See you again!

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