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熱力学(4):エンタルピーH

author : A.Mizunoawa   [ 一般 ]
2019.01.17 Thursday 11:00 | - | trackbacks(0) | 

みなさん、明けましておめでとうございます。応化4回生のA.Mizunoawaです。例の如く大変ご無沙汰しております。

更新が途絶えていた間の近況として特筆すべきは

ヾ末報告会が(炎上による火傷等が無かったという意味で、文字通り)無事に終わったこと。

研究室内に通常のオフィスグリコに加えて冷蔵庫も設置されたこと。簡単に説明すればホテルの冷蔵庫と同じものが導入された。中にあるアイスやジュースはお金さえ払えば気軽に購入することができるため、コンビニに行く手間が省けて便利。

8Φ羲爾B4とM1で新潟までスノボ旅行に行ったこと。僕にとっては人生初のスノボだったため、楽しかったが、翌日の筋肉痛がひどく二日目はほとんど滑れなかった。

ぢ膤日の晩に仮眠を取ったら、年越しの瞬間を逃したこと。

くらいですかね。それぞれ記事にしようと思えばできるくらいには話をいくらでも膨らませられることができるのですが、新年一発目の話題はやはり熱力学の方が縁起が良いと思いますので(超適当)、そうしたいと思います。

大学に入ると、エンタルピーやエントロピーという聞き慣れない用語が出てきます。最初は恐らく熱力学で聞くことになるかと思うのですが、これは高校物理の熱力学では教えてもらわなかった物理量だと思います。

まず、以下にエンタルピーの定義を示しましょう。

エンタルピーはHと書き、H=U+pVで表されます。なお、ここでUは内部エネルギー、pは圧力、Vは体積を意味しています。

どうしてこのような新しい物理量が設定されたのかと言うと、その方が好都合だからです。種々の物理量は状態関数と経路関数という二種類に分類できるのですが(詳細は割愛するので興味があれば調べてみてください)、このうち物理学的に扱いやすいのは前者です。状態関数には圧力p,体積V,温度T,内部エネルギーUなどがあり、経路関数には仕事wや吸収熱qがあります。このような経路関数を状態関数として扱うために、エンタルピーは定義されています。

以下に示す証明によって定圧下においてはH=qであることが示されますが、この式の左辺は状態関数、右辺は経路関数になっているため、定圧下ならば吸収熱を状態関数として扱うことができるというわけです(大気圧は定圧ですので“常圧で起こる全ての反応”はこの条件を満たしますね)。

 [簡単な説明] H=U+pVよりH=U+(pV)となり、pが一定ならH=U+pVと書ける。pVは定圧下において系が外部にした仕事のことでもあるので−wと書き換えられて(注釈:大学の熱力学においてwは「気体がされる仕事」と定義される)、H=U−wとなるが、内部エネルギーの定義からU=q+wであるからH=q+w−w=qとなる。

[厳密な証明(大学の講義で学習する)]H=U+pVにおいて、それぞれの物理量が微小量だけ増加したとすればH+dH=(U+dU)+(p+dp)(V+dV)と書ける。微小量の二乗は無視できるほど小さいと考えれば(p+dp)(V+dV)=pV+pdV+Vdpと近似される。故にH+dH=U+dU+pV+pdV+Vdpであるが、H=U+pVであるからdH= dU+pdV+Vdpとなる。U=q+wなのでdU=dq+dwであり、これを代入してやればdH=(dq+dw)+ pdV+Vdpとなる。系が外圧pと平衡な状態で膨張の仕事だけをするならばdw=−pdVと書けるので、これをさらに代入してdH=(dq−pdV)+ pdV+Vdp=dq+Vdpとなる。今、定圧下という条件があるのでpの変化量は0でありdp=0と書けるから、この式はdH=dqである。

ちなみに、大気圧における反応であるならば、高校化学における熱力学方程式の右辺に出てくるx kcalというのが(符号は逆ですが)エンタルピーHに対応しています(つまり「H2(g) + 1/2 O2(g) = H2O(l) + 68.3 kcal」と「H2(g) + 1/2 O2(g) → H2O(l), H = −68.3 kcal」は同じ意味)。

それでは、今回はこの辺で。See you again!

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