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数学解析(1):『博士の愛した数式』

author : A.Mizunoawa   [ 一般 ]
2017.06.05 Monday 17:30 | - | trackbacks(0) | 

みなさん、ご機嫌いかがお過ごしですか。応化3回生のA.Mizunoawaです。

しばらく前に「授業内容をダイジェストで記事にして載せていく予定」だと宣言しておきながら、しばらく勉強の話はノータッチになっていましたので、4ヶ月ぶりに授業の話をしようと思います。

今回のテーマは数学です。1回生の間は線形代数学(≒行列の勉強)と解析学(≒微分積分の勉強)がありますが、2回生になってからも選択科目として数学の授業はあります。授業の名称は「数学解析」と言って、線形代数学や解析学の知識を基礎としてより高度な大学数学を学習していきます。

今回の内容は授業で直接扱うものではないのですが、数学的にとても面白い話なので取り上げてみたいと思います。僕はとある塾でバイトをしているのですが、この話を高3生にしばしば雑談として語り聞かせてやるとほとんどのひとがその場でしっかり理解できますので、内容としてはそんなに難しい話ではないだろうと思います。ただし、数学靴鬚笋辰討い覆い燭瓩縫優ぅ團⊃eを知らない方は、e=2.71…となるような(π=3.14…のように、数学的に意味のある)無理数があるのだなというくらいの認識で読み進めていってください。

高校生のみなさんは、数学機Ν兇如峪鯵儡愎堯廚函峪愎堯廚諒拔はされていることかと思います。しかし、高校ではこれらの単元を別々に扱っていて、実はそれらに関連があることまでは学習しませんよね。大学の数学では「オイラーの公式」と呼ばれる以下の式を学習します(導出は大学に入ってすぐ学習するマクローリン展開を用いるのですが、ここでは省略します)。

e^(iθ)=cosθ+isinθ……(式1)

iは虚数単位、eはネイピア数で、角度はラジアンとしてください。この式を見ればわかると思いますが、左辺が指数、右辺が三角関数になっており、この式はなんと「三角関数」と「指数」をダイレクトに結び付けている式なんですね。さらにわかりやすくなるように、少し計算をしてみましょう。

この式においてiを-iにすると

e^(-iθ)=cosθ-isinθ……(式2)

となり、(式1)と(式2)の両辺を足して変形すれば

cosθ={e^(iθ)+e^(-iθ)}/2……(式3)

(式1)から (式2)の両辺を引いて変形すれば

sinθ={e^(iθ)-e^(-iθ)}/2……(式4)

となります。(式3)と(式4)を見てください。sinやcosが指数関数で表すことができていますよね。つまりこの式を用いることで、三角関数の難解な計算を指数関数に変換して解くことができます。実際、ラプラス変換や実数範囲の微分方程式にはこのオイラーの公式が活躍します。

ところでこの式、もう少しだけいじってみると、とある興味深い事実を導き出すことができます。

(式1)においてθ=πを代入してみてください。e^(πi)=cosπ+isinπですからe^(πi)=-1+0です。つまり、

e^(πi)+1=0……(式5)

と書けます。これは「オイラーの等式」と呼ばれているのですが、さて、この式に出てくる5つの数に注目してみましょう。

e……自然対数の底である、解析的な定数。

π……円周の長さと円の直径の比という、幾何的な定数。

i……複素数という概念において必要不可欠である、虚数単位。

1……有を表す原初の記号で、乗法における単位元。

0……無を表す原初の記号で、加法における単位元。

これらの、言ってみれば「もっとも基本的な数」が、こんなにもシンプルな式で結び付けられることは驚嘆に値すると思いませんか? 実にその通りで、天才物理学者のファインマンを筆頭に、世界中の数学者の多くがオイラーの等式を「数学における最も美しい定理」だと認めているのです。

数学って、難しいですけどその分奥が深くて面白いですよね。

それでは、今回はこの辺で。See you again!

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