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量子科学(1):古典力学と量子力学

author : A.Mizunoawa   [ 一般 ]
2016.10.03 Monday 03:00 | - | trackbacks(0) | 

みなさん、ご機嫌いかがお過ごしですか。応化2回生のA.Mizunoawaです。

ラッキーなことに今年の10月は土日から始まっていたので、学部生は今日からようやっと後期の授業が始まります。8月の二週目あたりから休みだったので、ほとんど2か月間もの期間、夏休みだったことになりますね。大学生は小学生よりも呑気で自由です。

ところで、2年前期(轡札)を終えての振り返りがまだでした。この記事以降、しばらくの間は僕が轡札瓩納萋世靴深業についての概略をどんどん紹介していきたいと思います。全く授業とは関係無い記事も書きはしますが、献札畚了後も基本的には同じようにする予定です。

これまでいくつか専門の授業を受講した中で、僕が一番気に入っているのは「量子科学」という授業です。内容は非常に難解ではあるものの、学問としてのこれは最高に面白いと思います。授業では基本的な内容や計算関係を扱うことがほとんどだったのですが、量子力学の概念的な詳細について色々と趣味で調べてみたので、自分なりに咀嚼してまとめたものを以下に記します(誤謬があったらごめんなさい)。

そもそも、量子とは何でしょうか?

たとえば私たちが認識する巨視的なレベルでは、電流は1.0[A]や2.0[A]などだけでなく、1.5[A]や4/3[A]などどんな値でも取ることもできます。つまり、実数の範囲で連続です。

しかし、より細かく、微視的なサイズで物事を観察すると、そこには最小単位というものが存在しています。この物質量の最小単位が「量子」と呼ばれるものです。

要するに、テレビは巨視的に見れば映像、微視的に見れば画素であり、その画素を量子と名付けているというような感じになります。

(ちなみに余談ですが、もっとも初めにこの原子の考え方に思い至ったのは紀元前に「万物の根源はアトムだ」と主張した古代ギリシアの哲学者デモクリトスです。世界史や倫政で登場しますよね)

量子は、具体的には原子を構成している電子や陽子、中性子などを指します(陽子や中性子を構成するさらに細かい「素粒子」も量子に含まれます)。電気量が電気素量の整数倍になる、というのは電子が量子である、というのと同じ意味です。

このようにマクロな世界とミクロな世界ではものの捉え方が異なるのですが、それに伴ってある現象を的確に記述するための「力学」も異なります。マクロな次元で成立する力学は「古典力学(高校生が物理の授業で学習する力学のことです)」と呼ばれ、ミクロな次元で成立する力学は「量子力学」と呼ばれます。

量子力学は古典力学とは全く別の法則であるが故に、巨視的な古典力学が支配する世界のみを認識している私たちにとってはなかなかすぐには受け入れがたい衝撃的な内容となっています。

たとえば「全ての物質は粒子でもあり、波動でもある(粒子性と波動性の二重の性質を持つ)」という事実が知られています。どういうことかというと、私たちがこれまで粒子であると疑わなかったそれは実は波動でもあって、波動と疑わなかったそれは実は粒子でもある、ということです。

具体的には、質量m[kg]、速さv[m/s]の粒子を波として扱った場合の波長(ド・ブロイ波長と呼ばれる)λは、プランク定数hを用いてλ=h/mvと表されます。16[km/h]で走る体重50[kg]の人間の波長を計算すると{6.63×10^(-34)}/ {50×(16/3.6)}=2.98×10^(-36)[m]となりますね。

ここで「人間を波動とみなして意味はあるのか?」という疑問が浮かびます。確かに、人間の波長のオーダーは10^(-36)[m]とかなり小さいため、この値自体にはあまり物理学的な意味は無いと言えます。もとより「人間」のサイズはマクロなものであって、古典力学に対応するため、量子力学的なド・ブロイ波という考え方を導入したところでその値が意味を為さないのは当然と言えるでしょう。

しかしこれは反対に、量子力学スケールの小さなものに対してはド・ブロイ波が意味を持ってくる、ということになります(mを小さくすればλは大きくなりますよね)。つまり、このことが先述の「粒子性と波動性の二重の性質を持つ」ということに他なりません。

長くなりますので、続きは次回に持ち越したいと思います。

それでは、今回はこの辺で。See you again!

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