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『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』

author : A.Mizunoawa   [ 一般 ]
2015.10.14 Wednesday 02:00 | - | trackbacks(0) | 

みなさん、ご機嫌いかがお過ごしですか。応自1回生のA.Mizunoawaです。既に投稿されている先輩方の記事を読まれた方はご存知かもしれませんが、先週アンドロイド研究の権威でいらっしゃいます石黒浩先生の講演会が大学内で行われました。僕も先生のお話を聞いてきましたので、他の記事とできるだけ内容が被らないように補足的にその講演会について書きたいと思います。

 

講演のタイトルは「学ぶことの意味とロボット研究 −人間とは何か、心とは何か−」でした。ここで注目したいのはサブタイトルです。普通ならロボットを研究している先生が講演でするのはロボットの話だけかと思われますが、今回のテーマは「ロボットと人間」なのです。

 

まず冒頭で石黒先生はひとの気持ちや命について語られました。「大人になるとはどういうことか? 大人は、本当はわかっていないのに思考停止をしてしまいがちだ。子供の頃の疑問がというのが最も大事なものである」「ひとの命には絶対的な意味での価値は無い。自分の価値を探すことが人生である。自分探しを通しての人間理解が大切だ」と言った話です。

 

そして次に「人間と動物の違いは技術の有無だ」と言う言葉を懸け橋にして、ようやくロボットの話が始まります。もちろんここに全部は書けないので、以下では僕が印象に残っている話をほんの一部だけ抜粋することにします。

 

・どうして人間型ロボットを使うようになるのか? それは、ひとの脳はひとを認識するようにできているから。ひとにとってもっとも関わりやすいインターフェイスはひとである。

・アンドロイドを人間らしくするために必要な動作は無意識的動作と反射的動作である。前者は身じろぎや癖のような動き、後者は呼びかけなどに対するレスポンスのことを言う。前者があることによって特にアンドロイドは本物の人間らしく見えるが、脳科学の専門から言わせればまだまだその動きは不自然である。

・人間が心を通わせることができるロボットというのは、意図や欲求を持つロボットである。相手の意図が汲める状態にあることで、一問一答形式を越える対話ができ、愛着を抱くようになる。

・デパートでの洋服売りをアンドロイドにさせる実験を行ったところ、アンドロイドはかなりの好成績を収めた。その理由として、ひとは機械を信用してしまうということが挙げられる。たとえば、コンビニ店員に渡されたお釣りの金額が正しいか確認するひとであっても、自販機から出た小銭は確認しないことが多い。

・ひとの想像を引き出すようなロボットを作る場合、モダリティは2つで充分である。たとえば「声と感触(ハグビー)」「見かけと感触」「匂いと感触」「匂いと声」があれば、人間は相手を容易に想像することができる。

 

石黒先生はほとんどの話で、ロボットの話をしているのと同時に人間の話をしていました。それはロボットを使うのが人間であり、またロボットが近づこうとしているのも人間だからだと僕は思います。石黒先生曰く「ロボットはひとを映し出す鏡」だそうで、そもそも先生は「人間とは何か?」を探求するために人間らしいロボットを作っているそうです。純粋にロボットだけが好きなひとは、ガンダムのようなものを作りたがるだろうとも仰っていました。人間でないものを通して人間を見つめる──そのための道具として、ロボットは確かにお誂え向きだろうと思います。

 

それでは、今回はこの辺で。See you again!

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